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埋没制度 夫婦財産契約 |
3つの財布が原則
結婚前からもっていた財産は夫婦それぞれのもの。
結婚してから稼いだ財産は稼いだ人のもの。はっきりしないものは夫婦共有財産。
家事経費の債務は連帯責任。これが民法の原則です。
夫婦はキツネとタヌキ
夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方から取り消すことができる。
これは民法の原則的な規定です。夫婦喧嘩は犬も食わない、ということなのでしょうか。キツネとタヌキの化かし合いを奨励しているみたいです。
そうだとすると、夫婦間契約は婚姻前にしておくべきもの、ということになります。
民法ではその婚姻前の契約を重視しており、その契約があれば冒頭の夫婦財産関係の原則を変更できるものとしています。
そして、夫婦の財産関係は、婚姻届出の後は、これを変更することができない、とタガをはめています。
夫婦財産契約は登記が要件
契約書を以って婚姻前に 法務局に登記申請し、受理されてはじめて夫婦財産契約は有効となります。戸籍筆頭者になる予定の方の住民票のある管轄の法務局
(登記所の不動産登記課)が窓口です。
登記するにあたっては登記官に実質審査権がないため、契約は自由な内容にできます。
法的には意味の無い、おかしな約束事が登記簿に記載されている例もあります。
夫婦財産契約は、あまり知られていませんが、明治時代からあったものの、婚姻は個人と個人というより、家と家との関係と考える傾向の強かった戦前でも、この制度はほとんど利用されていなかったようです。
愛の証しの夫婦財産契約登記
身も心も焼き尽くし、すべてを捧げるつもりでする若年結婚では計算づくの夫婦財産契約などというものは無視されるであろうという理由で、利用者が少ないのではなく、知らないから利用されないだけで、知った上で、愛の証しとして登記する、というのも制度の期待しているところです。
登記をすると、離婚時に財産分与をめぐって膨大な負のエネルギーを使うこともなく、また熟年カップルは財産をめぐる子供達の不安を解消し再婚への道が拓けるかもしれません。
2007 年11 月16 日(金)
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