税理士(会計事務所) 東京 銀座。法人・個人の税務・会計顧問、会社設立、確定申告、相続税。夫婦共産制と別産制

お電話でのご相談無料です!

法務に関するバックナンバー

税務に関するバックナンバー
法人税に関する
バックナンバー
所得税に関する
バックナンバー
消費税に関する
バックナンバー
相続税に関する
バックナンバー
その他の税法に関する
バックナンバー
法務に関する
バックナンバー
労務に関する
バックナンバー
経営・その他に関する
バックナンバー
夫婦共産制と別産制

民法の原則
夫婦の一方が婚姻中自己の名で得た財産はその稼いだ人の財産とするというのが民法の定めているところです。
ただし、次のような主張もあります。

憲法の原則は夫婦共産制か?
婚姻は男女の終生の共同生活を目的とする結合であり、相互に同一水準の生活を維持するための無限依存の関係にあります。
この夫婦共同体においては、通常は生活を保持するための費用は分担額をきめてから拠出するのではなく、互に収入の全額を拠出して家計にあて、残額を預金、不動産の購入にあてます。
このように婚姻費用として、夫婦が拠出したものの剰余は、それを拠出した者の帰属を離れ、夫婦共同体の共有財産に変質します。
この夫婦共有財産は夫婦関係が終了するまで続き、そこにおける持分の割合は各2分の1です。
その根拠は、夫婦の役割分担による経済的評量ではなく、夫婦相互の扶助、協力でありこれに男女の差をつけることができないという男女(あるいは夫婦)平等の憲法第24条の理念に求められます。


夫婦共産制論を税務訴訟で主張
婚姻中に取得した住宅、預金、株券などが夫婦の一方の名義となっているものであったとしても、夫婦が協力して取得し、共同生活の経済的基礎を構成してきたものであるなら、実質的には夫婦共有に属するとすべきものであるから、離婚の際にはこれらのものは、単純な共有物の分割として清算すべきものです。


共産制論は敗北したが別産制も手傷
しかし、この主張は裁判では次のように否定されました。
別産制は男女の区別なく平等に適用されるものであるのみならず、配偶者の一方の財産取得に対する他方の協力、寄与につき持分権を与えないとする実質的不公平に関してはこれを除去しうる財産分与請求権、相続権ないし扶養請求権等の私法上の権利に化体して償われているから、憲法24条には違反しない、と。
そして、財産の分与は財産の譲渡であるから分与者には譲渡所得税がかかるものの、分与される者についてはすでに財産分与請求権があるから課税には及ばない、としています。
財産分与請求権という財産の取得には過去に課税の形跡がないのにこれへの課税はないままです。非課税による財産無償取得を認めてしまったのです。
実質課税放棄となっており痛み分けのようです。

2007 年11 月20 日(火)