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「控除」と「減算」 パート2 |
法人税法では使い分けている
国語辞典「大辞林」によると、控除は「差し引くこと」、減算は「引き算」との説明になっています。日本語としては類似の意味の言葉です。
この「控除」と「減算」について、法人税法においては使い分けが行われています。
法人税法での「控除」
法人税法には「所得の金額は益金の額から損金の額を控除した金額とする」との基本規定があります。「所得」というときには「マイナスの所得」は想定されていません。それは、他方に「マイナスの所得」を意味する「欠損金額」についての規定があるからです。
「欠損金額とは損金の額が益金の額を超える場合の超える部分の金額をいう」との規定です。
このことからして、「益金から損金の額を控除した金額」というときの控除後の金額は常にゼロ以上の値を示すものでなければなりませんので「控除」という言葉でマイナスにならない差引計算を表現していることは明白です。
法人税法での「減算」
他方「減算」の場合は、国語辞典通りの単なる引き算の意味で用いられています。
分配時に配当課税の原資となる法人の留保利益を表示する利益積立金について、平成13年の改正で「減算した金額」との表現が採用されてマイナスの値になることがあることにされました。
この改正前は「超える場合の超える部分の金額」という表現でマイナスの値がないことを明示していたところでしたので、この改正の意味は明白でした。
資本金等についても同じ趣旨の改正が行われているところです。
行間を読めないと理解できない
これらの法人税法での言葉の使い分けは、どこかの条文に明文で規定されているわけではなく また、法令用語の常識として一般に広く解説されているのではなく、行間を読む努力をしてはじめて判別するところのものです。
法律用語の使い方として、センスがよくないように感ずるところです。
2008 年3 月25 日(火)
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