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宗教法人が行うペット葬祭業が収益事業に当たる

動物の生存権
野良犬や野良猫を殺傷したり虐待すると動物愛護法により懲役や罰金の刑罰を受けることになります。動物の生存権を尊重する視点が基礎にあるからです。
しかし、逆説的ながら、ペットの場合には動物であっても生存権的な視点のない「物」としてまず把握されるようで、刑法上は器物、民法上は生命のある動産、つまり電車に置き忘れると遺失物、殺害すれば器物損壊罪、所有権の客体でもあり、売買の対象にもなります。

ペット葬祭業の対価はお布施?
宗教法人が行うペット葬祭業が収益事業に当たるかどうかが争われた事件で、最高裁はこの今年9月12日、上告を棄却し、法人税を課した税務署の処分を認めました。
ペット葬祭業は,外形的に見ると,請負業,倉庫業及び物品販売業であり、かつこれらの事業に付随して行われる形式としての宗教的儀式サービス提供業であり、その対価にはお布施などの喜捨等の性格はない、としています。
動物愛護法以前の「物」との視点を基調においた考え方を色濃くにじませているようにみえます。

ペットの供養塔は宗教施設か?
ところが、一方では、寺院が行うペット等の遺骨の保管施設は宗教施設に当たるとの最高裁判決を今年7月17日に出してもいます。
こちらでの言い分は、一般的に人が供養される場合と動物が供養される場合とで社会的な評価が異なることは否定できないところながら、動物の供養について、客観的にみて、その宗教性について社会的な認知が得られているものということができる、というものです。
動物の遺骨の保管行為が、民間業者のそれと類似しているから、固定資産税の非課税の優遇措置を受けられない、との東京都の主張は否定されました。
議論は煮詰まっていないこれらの最高裁判決は、それぞれの事案の特殊性を考慮した結果の標準偏差内の判断なのか、ダブルスタンダードの判断なのか、疑問を提供するものになっています。
税制の議論の前に、動物との付き合い方の摂理をまだ十分に議論し尽くしていないようにも思います。

2008 年10 月16 日(水)